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​2024年2月インドネシア共和国口唇口蓋裂医療技術支援活動

2024年2月 インドネシア共和国における口唇口蓋裂医療技術支援活動
富山大学附属病院 歯科臨床研修医 瀧野賢祐


2024年2月18日から24日の7日間で、インドネシア共和国での口唇口蓋裂の医療技術支援活動を行いました。今年はコロナ禍もひと段落して初めての訪問であり、前回よりも大規模な歯科医師、麻酔科医、看護師の合同チームで行いました。口腔外科医は当科 野口教授・今上先生、大阪医科薬科大学 藤原先生・清水先生・島田先生と私の6名、麻酔科医は当院麻酔科 釈永先生・又野先生、新潟大学歯科麻酔科 金丸先生の3名と当院 多賀看護師の合計10名での活動となりました。
今回の活動では、インドネシア中部のマカッサルにあるハサヌディン大学附属病院を訪問し、現地のスタッフと合同で2日間に13例の手術を行いました。手術は主に今上先生と藤原先生が執刀され、難症例では野口教授が執刀されました。私は主に今上先生のチームで助手を務めました。普段の手術では外回りが多い中、助手として短期間に多くの手術を間近で見ることができ、現地の口腔外科医だけでなく私にとっても貴重な経験となりました。
インドネシアでの治療では、日本国内での治療で行うような長期間のフォローや機能訓練ができなかったり、二次的な手術を前提とした治療計画が立てられなかったりといった制約を強く感じました。そのため状況を鑑みながら必要に応じて普段と違う治療戦略を取ることや、現地の口腔外科医や矯正歯科医、補綴歯科医と協力して治療をすすめる重要性を強く感じました。
また、今回の訪問では今上先生、藤原先生、釈永先生がハサヌディン大学歯学部での講義を、野口教授がハサヌディン大学歯学部設立41周年記念式典での講義を行い、現地の医療従事者への医療技術指導を行いました。講義の内容も口唇口蓋裂の治療以外にも口腔悪性腫瘍の再建治療や麻酔の基礎など幅広く、現地の歯学部生や歯科医師だけでなく外科医や小児科医など多くの医療従事者が参加していました。
今回、私は歯科研修医という身分でありながらこのような貴重な機会をいただきま
した。野口教授をはじめとするチームの皆様、ハサヌディン大学の皆様をはじめとす
る現地スタッフの皆様に感謝を申し上げるとともに、この経験を今後の臨床に生かし
て努力邁進してまいります。

2024年2月 インドネシア共和国口唇口蓋裂医療技術支援活動

大阪医科薬科大学 歯科・口腔外科 島田菜々子

2024年2月18日から2月24日にかけての6日間、インドネシア共和国において口腔先天異常疾患を有する患者を対象とした医療技術支援活動を行いました。富山大学歯科口腔外科学講座 野口教授、今上先生、瀧野先生、同大学麻酔科学講座 釈永先生、又野先生、同大学病院看護部 多賀さん、新潟大学麻酔科学講座 金丸先生、大阪医科薬科大学口腔外科学教室 藤原先生、島田、歯科医師清水先生の総勢10名で南スラウェシ州、マカッサルのHasanuddin大学を訪問しました。まだまだ肌寒い日本を出発し、うだるような暑さのインドネシア共和国へ。梅雨の季節を彷彿とさせる気候の中、飛行機を乗り継いでスラウェシ島に向かいました。本場のインドネシア料理を堪能し、翌日Hasanuddin大学歯学部にて教育講演を行いました。講師は釈永先生、今上先生、藤原先生に務めていただき、講演後の質疑応答では活発な意見交換が行われました。午後からは口腔外科医、麻酔科医による術前診察を行いました。患者は0歳から30歳までの計13名(口唇裂3名、口唇顎裂3名、口蓋裂4名、口唇口蓋裂1名、顔面裂1名、その他1名)でした。2月21日に6例(顔面裂1例、口唇形成術1例、口蓋形成術3例、口唇修正術および鼻修正術1例)、22日に7例(口唇形成術4例、口蓋形成術2例、瘻孔閉鎖術1例)の手術をインドネシアチームと協力しながら行いました。残念ながら今まで口唇口蓋裂について学ぶ機会が少なく、手術を見学したこともほぼなかったのですが、手術の助手を務めさせていただく中で執刀医の先生に様々なことをご指導いただき、大変有意義な時間を過ごすことができました。現地の研修医の先生方も知識欲が非常に旺盛であり、競うように手術の見学や助手を希望されていました。意思疎通を英語で図らねばならない状況の中での作業は困難を伴いましたが、インドネシアの医療事情や文化について貴重な知見を得ることができました。今後もこのような国際医療技術支援を続けていければと思います。

参加者

富山大学歯科口腔外科学講座:野口、今上、瀧野
富山大学麻酔科学講座:釈永、又野   富山大学病院看護部:多賀
新潟大学麻酔科学講座:金丸

大阪医科薬科大学口腔外科学教室:藤原、島田   歯科医師:清水

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