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​2024年12月インドネシア共和国口唇口蓋裂医療技術支援活動

  2024年12月 インドネシア共和国における口唇口蓋裂医療技術支援活動

          富山大学附属病院 口腔外科 高市 真由

 当科によるインドネシア共和国での医療交流活動は、1996年にインドネシア口唇口蓋裂協会からの要請を受け、野口誠名誉教授(当時札幌医科大学)が現地での活動に参加したことをきっかけに始まりました。2004年に野口名誉教授が富山大学に着任した後も活動は継続され、2006年には現地での技術移転の一環として、バンドン市のパジャジャラン大学内にCLEFT CENTERを設立しました。さらに、2009年にはマカッサル市セレベス口唇口蓋裂協会が新たな協力団体(カウンターパート)として加わり、現在まで20年以上にわたって活動を続けています。とやまCLPネットワークは、設立以来この活動を継続的に支援してきました。
 12月の活動では口腔外科医を含む歯科医師5名が1週間インドネシア共和国に滞在し、現地の口腔外科医、麻酔科医、看護師と協力して、口唇口蓋裂の治療支援を行いました。無償手術希望者の募集は地域新聞やラジオで呼びかけを行い、日本から手術器具や医療材料を持参して手術を実施しました。ロンボク島マタラムにあるRumah Sakit Umum Daerah州立病院と、バンドン市パジャジャラン大学内のCLEFT CENTERの2か所で、現地の医療チームと協力して口唇口蓋裂手術を行いました。1つ目の病院では手術室の数が限られていたため、ストレッチャーを手術台代わりにし、1つの手術室に3台の手術台を配置して同時並行で手術を行いました。
インドネシア共和国では、経済的および環境的な理由により、日本のように十分な治療や教育を受けることが難しい状況がしばしば見られます。同国における適齢期での手術実施率は約30%とされており、本活動でも治療介入が遅れた症例が多く見受けられました。このような状況を改善するためには、手術技術の移転に加え、言語訓練を含む長期的なフォロー体制の構築や、保護者への教育支援が引き続き必要と考えられます。

参加者

富山大学歯科口腔外科学講座:高市   函館中央病院口腔外科:辻
大阪医科薬科大学口腔外科学教室:藤原、松尾   歯科医師:清水

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設立    2018年4月

事務局 富山市杉谷2630

    富山大学医学部 歯科口腔外科学講座 内

    076-434-7383(電話)

    076-434-5041(FAX)

    担当秘書:杉村

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