とやまCLPネットワーク
わたしたちは富山および北陸地方を中心とした、口唇口蓋裂(Cleft Lip and Palate)をもつ患者様とそのご家族への情報提供やネットワークづくり、海外の同じ疾患をもつ子どもたちへの医療技術支援活動などを目的としたNPO法人です。
2024年12月インドネシア共和国口唇口蓋裂医療技術支援活動2
2024年12月 インドネシア共和国における医療支援活動報告
大阪医科薬科大学 口腔外科学教室 松尾朋佳
2024年12月11日から2024年12月18日までの8日間、ロンボク島マタラムとジャワ島バンドンにおける口唇口蓋裂患者に対する医療援助活動に参加いたしました。今回は日本より歯科医師5名とインドネシア共和国の医療チームと協働で活動しました。
まずはロンボク島マタラム RSUD PROVINSI NTB病院にて手術を行いました。日本よりも簡易的な麻酔装置が設置されており、一つの手術室に3台手術台を並列にして次々に手術を行い、合計29症例の手術を実施しました。続いての活動地であるUNPAD歯学部付属病院内の手術室では日本と同じような施設環境で合計5症例の手術を実施しました。インドネシア共和国に医療技術支援の必要性がまだあることは認識していましたが、重度の口唇口蓋裂の患者さんが多いことや、障害が残った状態で手術適応齢よりも大きく成長している患者さんが多いことからもインドネシア共和国における口唇口蓋裂手術の改善や技術支援の必要性を実感しました。また同時に、指導医である藤原先生の、長時間におよぶ手術でも一切手を抜くことなく審美性の向上に努める姿勢、手技の精密さ、処置後のイメージ力の高さは驚きだけでなく、非常に感銘を受けました。
インドネシアチームのメンバーとは、診療だけではなく現地の食事もご一緒させていただきました。その際、チームの方々から自国に口唇口蓋裂患者で悩んでいる患者さんが多いことから、歯科医師を目指し日々勉強していると聞きました。実際、先生方の手技を学ぼうと、手術中は複数人でビデオや写真等で記録に残し、積極的に質問したりと非常に強い熱意を感じました。そしてその一心となっている姿は、非常に鼓舞され、私も学び続ける必要があるなと強く思いました。
もともと学生の頃より口唇口蓋裂の治療および海外支援活動に関心があったため、今回の活動は非常に心待ちにしていましたが、実際に参加してみると想像以上に貴重な経験を積むことができ、非常に多くのことを学びました。海外での医療支援活動に対してより興味を抱くきっかけとなったこの活動は私にとって非常に有意義で忘れられないものとなりました。藤原先生を初め、一緒に活動に参加しサポートしていただいた先生方および活動参加を後押ししてくださった先生方に大変感謝し、今後もこのような活動に参加していきたいと思います。
参加者
富山大学歯科口腔外科学講座:高市 函館中央病院口腔外科:辻
大阪医科薬科大学口腔外科学教室:藤原、松尾 歯科医師:清水

